剣道で最も大切な「構え」の種類とポイント【初心者向け】
剣道を始めたばかりの皆さん、稽古で先生から「もっとしっかり構えなさい!」と指導された経験はありませんか?
剣道において、構えはすべての基本であり、構え方一つで攻撃にも防御にもつながる、非常に大切な要素です。しかし、「構え」と言っても、実はたくさんの種類があり、それぞれに深い意味があります。
この記事では、剣道の構えの種類と、初心者の方がまず身につけるべき中段の構えを中心に、正しい構え方のコツをわかりやすく解説します。
剣道の基本「中段の構え」を完璧にするコツ
五行の構え(ごぎょうのかまえ)の中でも、最も基本となるのが中段の構えです。ほとんどの剣道家が、この構えから稽古を始めます。
中段の構えを完璧にするためのポイントは、以下の3つです。
足の構え:左足を少し後ろに引き、つま先をまっすぐ前に向けます。右足は左足のつま先より少し前に出し、かかとを少しだけ浮かせましょう。これが「剣道の歩き方」の基本にもなります。
手の構え:両腕を前に伸ばし、竹刀の剣先を相手の喉元に向けます。左手はヘソの高さに、右手は左手より少し前に置き、両手で竹刀を優しく握ります。
体幹:背筋をまっすぐに伸ばし、おへその下の丹田に力を入れる意識を持ちましょう。体全体が安定し、いつでも素早く動ける状態になります。
攻撃的な「上段の構え」と「八相の構え」の違い
中段の構えがしっかりと身についたら、他の構えにも興味が湧いてくるはずです。特に試合などでよく使われるのが、上段の構えと八相の構えです。
上段の構え:竹刀を頭上にまっすぐ振りかぶった構えです。相手に強いプレッシャーをかけ、一気に攻撃に転じることを目的とします。
八相の構え:竹刀を右肩の上で立てた構えです。攻撃にも防御にも対応できる構えとして知られ、相手に隙を見せないように竹刀を構えます。
どちらも非常に攻撃的な構えですが、上段の構えは片手での竹刀操作が主になるのに対し、八相の構えは両手で竹刀を操るため、使い方に大きな違いがあります。
構えで意識すべき3つの秘訣:足・体幹・手の内
構えを良くするためには、竹刀の持ち方だけでなく、体幹や足の使い方にも意識を向けることが重要です。
足:常に前に進めるように、重心を少し前に置きます。足の裏全体で床を踏むのではなく、足の指の付け根で床を捉える意識を持つと、素早い動きにつながります。
体幹:お腹に力を入れて、体の軸をまっすぐに保ちます。構えが安定し、力強い打突を放つための土台となります。
手の内:竹刀を握る手の力を抜きすぎず、入れすぎず、まるで鳥の卵を包むように優しく握ります。この「手の内」が、竹刀を自在に操るための秘訣です。
昇段審査で評価される構え方とは?
昇段審査でも、構えは重要な評価ポイントです。ただ形だけを真似るのではなく、以下のような点が評価されます。
堂々とした構え:相手にプレッシャーをかけるような、気迫のこもった構えができているか。
攻めのある構え:単に立っているだけでなく、いつでも攻められる準備ができているか。
安定した姿勢:体の軸がブレずに、常に安定した構えを保てているか。
まとめ:構えは「心の準備」から
剣道の構えは、単なる竹刀を構える動作ではありません。相手と向き合う「心の準備」でもあります。
今日から、中段の構えに立つときには、ただ立つのではなく、「体幹に力を入れる」「足の裏で床を捉える」「手の内を意識する」といった一つひとつのコツを意識してみてください。
そうすることで、あなたの構えは格段に安定し、自信に満ちた剣道へとつながるはずです。