剣道具の修理方法:自分でできる簡単なものから、専門家へ頼むべきことまで
剣道をしていると、日々の稽古で剣道具に傷みや破れが生じるのは避けられません。特に、面や小手、垂などは、体の動きや竹刀との接触で徐々に劣化していきます。
「ちょっとした破れなら自分で直したいな…」「でも、どこまで自分でやっていいんだろう?」
この記事では、剣道具の修理について、ご自身でできる簡単な修理方法から、安全のためにも専門家へ依頼すべきことまで、分かりやすく解説します。
1. 自分でできる簡単な修理
簡単な糸のほつれや補強は、ご自宅で修理することができます。
ほつれた「飾り糸」を直す
面や垂についている飾り糸が切れたり、ほつれたりした場合は、自分で縫い直すことができます。
用意するもの:
刺し子糸(道具の色に合ったもの)
裁縫針
手順:
飾り糸がほつれた部分から針を入れ、切れないように丁寧に縫い直します。
裏側でしっかりと玉留めをして、糸が解けないようにします。
ポイント:
飾り糸は見た目を整えるためのものなので、無理に力を加えて縫う必要はありません。元の縫い目に沿って、丁寧に縫いましょう。
痛んだ「小手」の補強
小手の甲の部分や手の内(手のひらの革)が薄くなってきた場合は、補強用の革を当てて修理できます。
用意するもの:
補強用の革(手芸店などで購入可能)
補強用ボンド(手芸用ボンド)
手順:
痛んだ部分より少し大きめに補強用の革をカットします。
革の裏にボンドを薄く塗り、小手の痛んだ部分にしっかりと貼り付けます。
ポイント:
手の内を補強する場合は、手の動きを妨げないように、薄くて柔らかい革を選ぶのがおすすめです。
2. 専門家に任せるべき修理
剣道具は、稽古中の安全を確保するための重要な防具です。以下のような修理は、ご自身の安全のためにも、必ず専門の職人や剣道具店に依頼しましょう。
「面」の修理
面は頭部を守る最も重要な道具です。
面金(金属部分)の歪みやひび割れ: 激しい衝撃で面金が歪んだり、ひび割れたりした場合、自己修理は絶対にやめましょう。面金は頭部への衝撃を和らげるためのもので、少しでも歪みがあると本来の機能を発揮できず、大怪我につながる可能性があります。
内輪(頭が当たる部分)の破れ: 内輪が破れたり、クッション性が失われたりした場合、衝撃吸収能力が低下します。内輪の交換は専門的な技術が必要なため、剣道具店に相談しましょう。
「小手」の修理
小手は手首や手の甲を守るものです。
小手の芯(中のクッション材)の交換: 繰り返し打たれることで、小手の芯がへたって薄くなります。芯がへたると竹刀の衝撃が直接手に伝わり、骨折などの怪我につながる可能性があります。芯の交換は専門家による修理が必要です。
「垂」の修理
垂は腰や股を守るためのものです。
大垂(中心部)の芯の交換: 垂の芯もへたることがあります。特に打突を受けやすい大垂の芯がへたると、怪我につながるため、交換を検討しましょう。
まとめ
剣道具の修理は、その目的が「見た目の補修」なのか、「安全性の確保」なのかによって、対応を分けることが大切です。
【自分でできる】: 飾り糸のほつれ、小手の部分的な補強など、見た目を整えるための簡単な修理。
【専門家に依頼】: 面金や小手の芯など、安全に関わる重要な部分の修理や交換。
安全に剣道を続けるためにも、剣道具の傷みを見つけたら、まずはその部分が「自分で直せるものか、専門家に任せるべきものか」を判断しましょう。