剣道における「すりあげ技」とは?
剣道の技のひとつである 「すりあげ技」 は、相手の竹刀の攻撃を 下から上へ滑らせるように受け流す動作を伴う攻撃技 です。別名では「すり上げ打ち」とも呼ばれ、相手の小手や面を狙う際に使われることが多い技です。
払い技が横方向の動きで相手を制するのに対し、すりあげ技は縦方向の動きで相手の攻撃を逸らすのが特徴です。
すりあげ技の種類
代表的なすりあげ技には以下があります。
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小手すり上げ(こてすりあげ)
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相手の小手に対して竹刀を下から上へ滑らせながら打突する技。
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相手の打ちを逸らしつつ、自分の小手や面に連携打ちが可能です。
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面すり上げ(めんすりあげ)
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相手の面への打突を狙う際、竹刀を下から上にすり上げることで相手の打ちを避け、空いた隙間に面打ちを入れる技。
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反射的に竹刀を下から上へ動かすことで、相手の打ちをかわしやすくなります。
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すりあげ技の基本動作
すりあげ技を正確に行うためには、以下のポイントが重要です。
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竹刀の角度と動かし方
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下から上へ、相手の打ちを滑らせるようにすりあげる。
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打ちを受け流す際に力任せに上げるのではなく、自然な弧を描くように動かす。
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体の使い方
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腰の回転と前後の足さばきを連動させる。
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上体だけで竹刀を動かすと不自然になり、相手に隙を見せてしまう。
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打突との連携
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すりあげる動作の延長で打突に移行するのがポイント。
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「すり上げ→打ち」の流れをスムーズにすることで、攻防一体の技になります。
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すりあげ技を使うタイミング
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相手が打ち上げてくる打突をした瞬間
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自分の竹刀と相手の竹刀が縦に接触するタイミング
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相手の攻撃が少し浮いたり、力が抜けた瞬間
つまり、相手の攻撃を縦方向に利用し、竹刀を滑らせながら反撃の隙を作ることがすりあげ技の本質です。
練習方法の例
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素振りでフォーム確認
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下から上へ竹刀を滑らせる動きを意識しながら、小手や面の位置を狙う。
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打ち込み練習で実践
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パートナーの打突に合わせてすりあげ動作を行う。
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最初はゆっくり、慣れたらスピードを上げて自然な動作を目指す。
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試合形式で応用
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相手の打突を見極め、自然にすり上げ→打ちにつなげる練習。
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まとめ
剣道の すりあげ技 は、相手の攻撃を利用して反撃するカウンター技術であり、縦方向の動きを活かすのが特徴です。
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種類:小手すり上げ、面すり上げ
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基本:竹刀を下から上へ滑らせる、腰と足を連動、打突へのスムーズな移行
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タイミング:相手の攻撃の力が抜けた瞬間、縦方向で接触する瞬間
正しいタイミングとフォームを身につけることで、試合での得点チャンスを大きく広げることができます。