試合の裏をかく!剣道「胴(どう)」技の打ち方と、技を極める応用練習

剣道において 胴打ち (どううち)は、相手の意表を突き、試合の流れを一変させる 戦術的な打突技 です。面(めん)や小手(こて)に比べて打つ機会が限られるため、「胴を打つタイミングが分からない」「技が単調になりがち」と感じている方も多いのではないでしょうか。 胴技には、 返し胴 (かえしどう)や 抜き胴 (ぬきどう)といった 応じ技 (おうじわざ)が多く、相手の攻めを利用して一本を狙うという、剣道の奥深さが凝縮されています。 この記事では、 正確な胴打ちの基本 から、相手を崩して一本を勝ち取るための 返し胴・抜き胴の極意 、そして 実戦で使える練習方法 を徹底解説します。あなたの剣道の幅を広げる、 「胴技」の奥の手 を身につけましょう。 1. 胴打ちの基本:力ではなく「斬り上げる」意識 胴は骨のない柔らかい部分を狙うため、面打ちのような 強い踏み込みや振りかぶり は必要ありません。それよりも、 滑らかさ と 正確な刃筋 が重要になります。 1-1. 振り上げと軌道:斜め45度を意識 胴打ちでは、竹刀を 面打ちほど大きく振りかぶる必要はありません 。 振り上げ: 相手と構え合った状態から、 左拳 が自分の額か少し上に来る程度に振りかぶります。この時、剣先は床に対して 約45度 になるように意識します。 打突の方向: 相手の 右胴 (自分の左側)を狙う場合、 右斜め前 へ進みながら、竹刀を 斬り上げる ように打ち込みます。打突部位は、胴の帯より上の部分、胴の縁(ふち)を狙います。 力の使い方: 強い力を込めて叩くのではなく、 竹刀の物打ち (剣先から約1/3の部分)で、 滑らかに横へ振り抜く (あるいは斬り上げる)イメージを持つと、柔らかな打ちになります。 1-2. コンパクトさと腰の連動 胴打ちは、相手に気づかれにくい コンパクトな動作 で行うことが、成功の鍵となります。 手の内(てのうち): 胴を打つ瞬間は、 両脇を締め 、 左拳 は構えの位置(臍のあたり)に引きつけます。柄(つか)を握る左手は、右拳につけるように 滑らせる ことで、竹刀をコンパクトに回すことができます。 下半身の使い方: 上半身と手先だけで打とうとすると、打ちが硬くなります。胴打ちに必要なのは、 腰の捻転 (ねんてん)を使った滑らかな動作です。まるで 野球のスイング のように、下半身と腰を...

初心者から高段者まで!剣道用「袴」の失敗しない選び方と目的別おすすめ徹底解説


剣道を始める方、または新しい袴(はかま)への買い替えを考えている方にとって、「どの袴を選べばいいか」は大きな悩みの一つですよね。袴は、剣士の立ち姿の美しさ(着装)を決めると同時に、日々の稽古の快適さやお手入れの負担に直結する、非常に重要な武道具(武道着)です。

特に剣道の袴は、素材(綿、テトロン、ジャージ)や番手(号数)、そして「ひだ」の加工など、選ぶポイントがたくさんあります。

この記事では、あなたの剣道経験や使用目的、お手入れのしやすさに合わせた最適な袴の選び方を、素材ごとのメリット・デメリットを交えてわかりやすくご紹介します。


1. 目的別!最適な剣道用袴の「素材」の選び方

剣道用袴の素材は主に**綿、テトロン(ポリエステル系化学繊維)、ジャージ(ハイテク素材)**の3種類に分けられます。それぞれの素材には明確な特徴と、適した使用目的があります。

【A】稽古中心・初心者・学生におすすめ:テトロン袴(化学繊維)

  • 素材の特徴: ポリエステルなどの化学繊維を主に使用した袴です。

  • 最大のメリット: 手入れが圧倒的に簡単であること。

    • 色落ち・色移りがほとんどないため、他の洗濯物と一緒に洗濯機で洗えるものが多くあります。

    • 速乾性が高く、稽古量の多い学生や汗をかく夏場に最適です。

    • 形状記憶加工ヒダ縫製加工により、袴の命である**「ひだ(折り目)」が取れにくく**、畳む手間が大幅に削減できます。

  • デメリット: 綿袴と比べて重厚感や風合いに欠けるため、高級感は劣ります。

  • こんな人におすすめ:

    • 初めて剣道を始める方。

    • 毎日の洗濯やアイロンが負担に感じる方、特に保護者の方。

    • 合宿や遠征など、速乾性を重視したい方。

【B】試合・昇段審査・高段者におすすめ:綿袴(藍染)

  • 素材の特徴: 綿100%で、多くは日本の伝統的な**正藍染(しょうあいぞめ)**が施されています。

  • 最大のメリット: 着装の美しさ、高級感、伝統的な風合いが段違いです。

    • 藍染特有の美しい色合い(藍色)と、重厚感が試合や審査の場で高い評価につながります。

    • 吸汗性・耐久性が高く、着るほどに体に馴染む**「育てる袴」です。藍には抗菌作用**もあると言われています。

  • デメリット: お手入れが大変であること。

    • 色落ちが激しいため、初期の色止めや単独での手洗いが推奨されます(洗濯機は非推奨)。

    • 乾きが遅くシワになりやすいため、綺麗に着るためにはアイロンがけが欠かせません。

    • 価格もテトロン袴より高めです。

  • こんな人におすすめ:

    • 昇段審査(特に高段位)を控えている方。

    • 伝統的な着装美を追求し、手間を惜しまない方。

【C】軽さと機能性を追求するなら:ジャージ袴(ハイブリッド素材)

  • 素材の特徴: テトロン袴の中でも、伸縮性や通気性を極限まで高めた高機能ポリエステル素材を使用した袴です。

  • メリット: 圧倒的な軽さと涼しさ。速乾性もテトロン袴以上に優れています。綿のような見た目を再現した軽量で高級感のあるモデルも増えており、近年人気が高まっています。

  • デメリット: 綿袴のような重厚感は得られません。吸水性が低いため、汗が垂にたまりやすい点には注意が必要です。

  • こんな人におすすめ:

    • 暑がりで、夏の稽古を快適にしたい方。

    • 軽量性動きやすさを最も重視する方。


2. 綿袴を選ぶなら知っておきたい「番手」の違い

綿袴には、「7000番」「8800番」「10000番」といった**「番手」が表記されていることがあります。この番手は、主に生地の糸の細さや織り密度、厚さ**を示しており、数字が大きいほど高級で高品質になります。

番手厚さ・質感主な用途
7000番やや薄手、しなやか一般稽古用、綿袴デビューに最適
8800番中厚手、適度な重厚感試合用、本格的な稽古用
10000番以上厚手、重厚感・高級感昇段審査高段者の演武

初心者がいきなり10000番の厚手の綿袴を選ぶと、重さや硬さ、手入れの難しさから挫折してしまうことも。まずは手入れの楽なテトロン袴から始め、慣れてきたら7000番台の綿袴にステップアップするのがおすすめです。


3. 失敗しない剣道袴の「サイズ」の選び方

袴のサイズは「S、M、L」ではなく、「号数」で表記されます。最適なサイズは、身長袴を履く位置によって決まります。

3-1. 正しい長さの基準

袴の裾の長さは、足のくるぶしが隠れる程度が最も美しい着装とされています。

  • 長すぎる場合: 裾を踏んでしまい、転倒やケガの原因になります。

  • 短すぎる場合: 見た目の美しさが損なわれ、だらしなく見えてしまいます。

3-2. サイズの測り方と号数選びの注意点

正確なサイズを知るためには、以下の長さを測りましょう。

  1. 身長を基準に、各メーカーのサイズ表で目安の号数を確認します。

  2. 前紐の下(腰骨の上部)からくるぶしが隠れるまでの長さを実際に計測し、**「号数換算表」**と照らし合わせます。

【サイズ選びの重要ポイント】

  • 綿袴の縮み: 綿袴は洗濯で1〜2cmほど縮むため、購入時に少し長めのサイズを選ぶ必要があります。テトロン袴はほとんど縮みません。

  • 男女・体型の違い:

    • 一般的に、女性は男性よりも腰高(ウエストの位置)で袴を締めるため、同じ身長でも男性よりワンサイズ長めを選ぶ傾向があります。

    • 成長期のお子さんの場合も、少し大きめを選ぶと安心です。

  • 号数の表示: 袴の長さは、号数 約3.79cmで計算されることが多いです(例:26号 3.79cm 98.5cm)。

袴選びは、剣道生活の快適さとモチベーションを左右する重要な決断です。まずは**ご自身の剣道への取り組み方(稽古メインか、試合・審査メインか)**を明確にして、最適な一枚を見つけてくださいね。

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