剣道で使う「技」の種類|基本技から応用技、試合で勝つためのコツまで徹底解説
剣道において「技」を学ぶことは、単に打ち方を覚えることではありません。相手との駆け引きの中で、いつ、どのタイミングで、どの技を繰り出すかという「戦略」を身につけることでもあります。
技の種類を深く理解することで、稽古の質が向上し、試合でも自信を持って攻めることができるようになります。この記事では、剣道の基本となる打突から、実戦で役立つ応用技まで、その特徴と習得のポイントを詳しく解説します。
1. すべての基本!四つの「基本打突技」
剣道の技の根幹をなすのが、面、小手、胴、突きの四つです。これらは「一本」を取るための最も純粋な攻撃であり、初心者から高段者まで生涯を通じて磨き続けるべき基本です。
1-1. 面(めん):剣道の華であり、精神の象徴
頭頂部を真っ直ぐに捉える、剣道で最も多用される技です。
特徴: 正中線をしっかり割り込み、全身のバネを使って打ち込みます。
ポイント: 単に当てるだけでなく、打突後の「残心(ざんしん)」まで含めた一連の動作の美しさが求められます。
1-2. 小手(こて):電光石火の先制攻撃
相手の右手首(または条件により左手首)を狙う技です。
特徴: 面に比べて打突距離が短く、素早いモーションで打つことが可能です。
ポイント: 相手が面を打とうとして手元が上がった瞬間や、構えが崩れた隙を見逃さずに捉えます。
1-3. 胴(どう):豪快な切り返しと体さばき
相手の胴体(右胴・左胴)を斜めに切り裂くように打つ技です。
特徴: 打った後に相手の横をすり抜ける独特の足さばきが必要です。
ポイント: 相手の面打ちをかわしながら打つ「抜き胴」などが代表的で、攻防一体の魅力があります。
1-4. 突き(つき):究極の集中力と精度
喉元(突き垂れ)を鋭く突く技です。
特徴: 刃先を一点に集中させる高い技術と精神力が求められます。
ポイント: 非常に危険を伴う技であるため、中学生以上から許容されることが多く、指導者のもとで安全に配慮して練習する必要があります。
2. 実戦で差がつく!「応用技・しかけ技」
基本技が単発の攻撃なら、応用技は相手を動かし、崩して打つための技術です。
2-1. 連続打突(二段・三段の技)
「小手ー面」や「面ー体当たりー引き面」のように、複数の技を間髪入れずに繰り出します。
狙い: 最初の打突で相手の体勢を崩し、本命の二打目で一本を取ります。
2-2. 払い技・巻き技
相手の竹刀を上や横から「払う」、あるいは「巻く」ことで中心を奪い、空いた部位を打ちます。
狙い: 構えが崩れない相手に対し、強制的に隙を作り出します。
2-3. 出ばな技(でばなわざ)
相手が打とうとして動き出した「起こり」を捉える技です。「出ばな面」や「出ばな小手」は、試合において非常に有効な決まり手となります。
狙い: 相手の攻撃意欲を逆手に取り、先を越して打突します。
3. 相手の力を利用する!「応じ技(おうじわざ)」
相手の攻撃を無効化し、即座に反撃に転じる高度な技術です。
3-1. 返し技(かえしわざ)
相手の竹刀を自分の竹刀で受け流し、その反動を利用して打つ技です(例:面返し胴)。
ポイント: 手首の柔らかさと、瞬時の判断力が鍵となります。
3-2. 抜き技(ぬきわざ)
相手の打突を空振りさせるように体をさばき、空いたところを打ちます(例:面抜き胴)。
ポイント: 相手との距離感(間合い)を正確に把握することが重要です。
3-3. すり上げ技
相手の竹刀を自分の竹刀で斜め上にすり上げ、軌道を逸らして打つ技です(例:面すり上げ面)。
ポイント: 円を描くような竹刀さばきで、流れるように反撃します。
4. 技の精度を高め、勝率を上げるためのトレーニング
技を知識として知っているだけでは、試合で使うことはできません。以下のステップで体に染み込ませましょう。
素振りと切り返しを怠らない
すべての応用技は、正しい素振りから生まれます。土台がしっかりしていないと、応用技は「当たらない技」になってしまいます。
「機会(チャンス)」を理解する
「相手が退こうとした時」「技が尽きた時」「息を吸った時」など、打つべき機会を意識して稽古に励みましょう。
得意技を作る
「これなら誰にも負けない」という自分の得意なパターンを持つことで、試合での精神的な余裕が生まれます。
まとめ:技は「心・技・体」の一致から生まれる
剣道の技は、単なる物理的な打突ではありません。鋭い踏み込み(体)、正確な技術(技)、そして迷いのない決断(心)が一つになった瞬間に、初めて「有効打突(一本)」となります。
まずは基本の四つの打突を完璧にマスターし、そこから少しずつ連続技や応じ技へと挑戦していきましょう。技のバリエーションが増えるほど、剣道の奥深さと楽しさがさらに広がっていくはずです。
次回の稽古では、何か一つ「今日はこの技を試してみよう」という目標を立てて、積極的に挑戦してみてください!